2007-11-01

The Lives of Others

ずっとずっとみたいと思っていた映画。
ちょっと前に借りてきたんだけど、DVDプレーヤーの調子がおかしくて
見れずに返却。この前プレーヤーを新しく買ったので
昨日また借りてきました。

邦題は「善き人のためのソナタ」

ベルリンの壁がまだあって、旧東ドイツが共産主義だった頃
国家保安省の局員が、盗聴を通して変わっていく様子を描いた映画です。

以下ネタばれあり。

映画の初めにみれる、冷酷なヴィースラーがどんどん変わっていく感じ。
ヴィースラーの葛藤が言葉は少なくても、すごく伝わってくる。
悲しいし、切ないのはヴィースラーのキャラクター。
仕事を終えて質素で暗い部屋にもどり、一人で食事をして、一人で寝る。
部屋に呼んだ娼婦に「もう、ちょっとだけいてくれ」とお願いしても
次の予約があって、忙しいのよ~。とあっさり断られてしまう。
ああ、やっぱりこの人も人恋しいんだなぁと思いました。
真面目に暮らしていても、幸せじゃない、白黒の人生。
最初は、ヴィースラーは盗聴してる女優さんにひかれたのかな?と思ったんだけど
多分、二人の人生そのものに憧れたのかな。もともと芸術的な部分はあったんけど
そういうものに触れる機会が全くなく、この盗聴を通して芸術的な部分に
目覚めたのか。なぜこの二人を助けるようなことをしたのか明確にはなってないけど
ヴィースラーはそもそもは真面目な善人だったんだろうと
勝手に解釈。
当時のシステムをすごく良く描いていて、
権力がある人の横暴っぷり->デブで最高に気持ち悪い。
こんなやつに触られるんだったら、死んだほうがまし。
なぐらい。
権力で精神状態が麻痺するんでしょうねぇ。
権力があるから、何をしてもいいし
気に食わない人がいたら、無理やり反政府の証拠をでっちあげて、
仕事も何もできなくさせる。もうめちゃくちゃです。
自分や家族を助けるためにInformantにならなければいけない人
またその人が自分の弱さを責める etc...
一番ショックだったのは
主演の人、ウルリッヒ・ミューエは今年の7月に胃がんで亡くなっていたんですね。
彼自身、旧東ドイツ出身で、シュタージの監視下にあったらしいです。

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